冬場はアイドリングストップ機能を停止した方がいいの?
こんな質問をお客様から頂きました。
正直、お客様がどこからその情報を聞いたのかは定かではありませんが
我々車業界の人間からいたしましても、この質問には「そうなの?」って返したくなる質問でした。
そこで、ちょこっと調べてみることにしました。
目次
★そもそもですが、アイドリングストップって何がいいの?
はい、そもそも何が良いんでしょう?近年の新車には殆ど車に標準装備と言っても過言でないアイドリングストップ機能ですが、どのような効果を得られるのでしょうか?
メリット1:まずはみなさんもよくご存じかと思いますが、各自動車メーカーがデーターを改竄してまで必死に取り組む、燃費の向上があげられると思います。
信号待ちなどで従来アイドリング状態のときにエンジンを停止することにより、その分の燃料をセーブでき、結果として燃費の向上に繋がります。
※左の写真のメーター中央の上方の情報がアイドリングストップした時間、その下の表示がアイドリングストップしたことにより節約した燃料の量を表示しています。ですが、後で説明しますがアイドリングストップすることにより、通常よりも燃料を消費してしますこともあります。このメーターの表示はそのあたりの事は計算されていないようです。
メリット2:第2に環境配慮が考えられます。地球温暖化や大気汚染の話題がよく取り上げれていますが、アイドリングストップ機能はエンジンを停止すことにより、無駄な排気ガスを抑えられ環境保護に役立ちます。
★では逆にアイドリングストップをすることによるデメリットはないの?
はい、これがお客様の質問でした。冬場を含めアイドリングストップをすることによるデメリットはないのでしょうか?
デメリット1:燃費向上の為に搭載するアイドリングストップ機能ですが、一旦停止したエンジンを再始動させるときに、かなりの燃料を消費するためアイドリングストップをしている時間によってはアイドリングストップをしない方が燃費が良くなってしまうケースもあるようです。一般的には5秒~8秒以下のアイドリングストップ時間だとアイドリングストップで節約した燃料以上にエンジンの再始動に燃料を消費すると言われており本末転倒という結果になってしまいます。
デメリット2:アイドリングストップ時にはエアコンが効かない!
夏場のドライブでは辛いですよね。多くの車のエアコンはコンプレッサーという冷却装置をエンジンの動力によって動かしています。よって、アイドリングストップ時はエンジンが停止しているためコンプレッサーも停止してしまいます。当然、車内には冷たい風はでてきません、、、、。近年のハイブリッド車などに搭載されているコンプレッサーは電動化されエンジン停止時でもエアコンが効くように設計されています。
ちなみにハイブリッド車にはアイドリングストップ機能はありませんが。
デメリット3:バッテリーやセルモーターなど電装機器への負担が大きい?!
使用環境にもよりますが、アイドリングストップ機能はエンジン停止と再始動を繰り返すわけですから、その度にセルモーターやバッテリーに負担がかかるのは明白です。
その為、アイドリングストップ機能搭載車には従来とはちがったバッテリーやセルモーターが採用されています。車種によっては何回セルモーターを使用したかコンピューターでカウントしている車種もあります。
バッテリーは通常の1.5倍から2倍の価格です。仮に使用できる期間が通常のバッテリーと同等だとすると、専用バッテリーの価格差を燃費に換算するとかなりの時間のストップ時間が必要となります。
まとめ
今回はお客様より冬場のアイドリングストップについて質問がありましたが
お客様が心配している機能を停止した方がよいのか、そうでないのかという観点ではどちらでもないという結果だったと思います。冬場はエンジンが温まりにくいため
アイドリングストップ機能もエンジンの掛け始めは自動的に停止されます。
アイドリングストップ機能はエンジンが十分に温まっていたり、バッテリーの電圧が十分でないと機能しないようコンピューターによって管理されています。
冬場も夏場もバッテリーや電装系にはそれなりの負担がかかってしまったり、あまりに短い時間のアイドリングストップを繰り返す時などは、アイドリングストップ機能OFFボタンを使いアイドリングストップのON,OFFをする場面をよく理解し使用することが、環境にもお財布にも優しいということになるでしょうか。